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Showing posts from February, 2025

コラム16

新約時代 ~「神の国」の宣教~ イエスの宣教メッセージの中心は「神の国」です(マルコ1:15)。旧約時代の預言者た ちは神の国の到来を預言していました。ユダヤ人たちはこれをメシア王国(千年王国)と 呼びます。イエスは神の国の福音を宣べ伝えるとともに、奇蹟を行い、来るべき神の国の 王としての権威を示されました。 イエスは神の国の福音をまずユダヤ人に伝えました。ユダヤ人たちはこれを拒みました 。彼らはイエスがキリスト(父なる神の任命を受けたメシア)であることを否定しました 。そしてイエスが語る真理のことばに対してねたみを抱き、殺そうとしました(マルコ 3:6)。イエスへの殺意の背後には、神の計画を阻むサタンの働きがあることを覚えなけれ ばなりません。イエスを拒んだ罪のゆえに、ユダヤ人に提供されていた神の国は彼らから 取り去られました。 これはサタンの勝利でしょうか?いいえ、神はユダヤ人の不信仰をご自身の計画の成就 のために、かえって用いられました(ローマ11:25,26)。イエスを拒否した民は、最終的 にイエスを十字架につけることを要求します。イエスの死は「世の罪を取り除く神の子羊 」(ヨハネ1:29)としての死です。罪人が罪の赦しと永遠のいのちを得るための救いは実 現したのです。サタンとしてはユダヤ人の誘惑に成功したことが裏目に出たのです。 イエスは十字架で確かに死なれ、三日の後によみがえられました。そのよみがえりは、 イエスの死が私たちの罪を赦す効力があること、死とサタンに勝利したこと、神の国建設 が大いに前進したことを明らかにしました。 イエスは四十日の間、弟子たちに復活の姿を現し、神の国のことを語られました(使徒 1:3)その後天に上げられました。その時御使いにこう言われました。「ガリラヤの人たち 、どうして天を見上げて立っているのですか。あなたがたを離れて天に上げられたこのイ エスは、天に上って行くのをあなたがたが見たのと同じ有様で、またおいでになります 。」(使徒1:11)これはイエスの再臨の預言です。神の国が完成するのは、イエスが再臨 されるときです。

コラム15

新約時代 ~「女の子孫」の誕生~ 創世記3章15節の約束されていた「女の子孫」がついに誕生しました。「しかし時が満ちて、神はご自分の御子を、女から生まれた者…として遣わされました」(ガラテヤ4:4)人間の女である乙女マリアから生まれた赤ちゃんは「イエス(神は救う)」とつけられました(ルカ1:31)。マリアに懐妊を告げた御使いはイエスを次のように紹介しています(ルカ1:32-33)。①「大いなる者」:偉大な者 ②「いと高き方」:神の御名そのもの ③父ダビデの王位/ヤコブの家を治め:ユダヤ人のメシア ④とこしえにヤコブの家を治め/その支配に終わりはありません:イエスの再臨とメシア王国(千年王国)の実現の宣言 メシアの誕生を阻んできたサタンの計画はすべて失敗に終わりました。しかし、イエスがお生まれになってから2年の間に、ユダヤの王であったヘロデによって殺害事件が起こりました。幼子イエスは、ヘロデの殺害計画を御使いから聞いた両親とともにエジプトに逃げました(マタイ2:13)。怒ったヘロデは、イエスが生まれたベツレヘムとその周辺一帯の二歳以下の男の子をみな殺してしまいました(マタイ2:16)。 イエス誕生を阻止できなかったサタンの次のねらいは、救いのわざである十字架を阻むことです。イエスが宣教を展開されているときはユダヤ人たちから幾度も殺意を向けられました(マルコ3:6)。これらはすべて背後にいるサタンの恐ろしいまでの執念です。彼は十字架における人間の救いをほんとうに阻むことができると思っているのでしょうか?十字架にかかられる前夜、イエスはサタンとの戦いを振り返り、こう言われました。 「わたしはもう、あなたがたに多くを話しません。この世を支配する者が来るからです。彼はわたしに対して何もすることができません。」(ヨハネ14:30) 世に対して絶大な悪影響を及ぼすサタンですが、イエスに対しては無力です。イエスの側につく者は幸いです。

コラム14

神にさばかれたイスラエルの民はバビロンに奴隷として連れて行かれました。国を失っ たのです。その後、神は幾人か預言者を遣わしましたが、預言者マラキで途絶えます (BC400年)。律法(神のことば)は与えられているものの、民がそれに背いたために神 のことばを伝達する預言者が遣わされたのですが、預言者がいない今、民は神のことばを 失ったことになります。この沈黙の期間、イエスが誕生するまで400年続きます。これを中 間時代と言います。この期間は救い主登場の舞台を整えるためにあります。この間に、バ ビロン帝国を倒すペルシャ帝国、ペルシャを倒すマケドニア帝国、マケドニアを倒すロー マ帝国が登場します。イスラエルはこれだけの国に支配され続けます。 民はバビロン捕囚以降、偶像礼拝から遠ざかります。民への神のさばきは偶像礼拝から 離れさせる教育でもあります。また神は民の帰還と再建をペルシャにさせます。強国が国 を支配しますが、そのすべてを神が支配しているのがわかります。神にとってそれらの国 々はご自身の計画を進めるための道具です。神がマケドニア帝国を使ったのは、後の新約 聖書をお造りになるためです。彼らは福音を伝播するのに有益な言語であるギリシャ語を 民の中に持ち込んだのです。 神はその時存在していた国々を偶然使ったのではありません。既に神の計画があっての ことです。それがダニエル書3:31-33にある巨大な像の預言のことばです。「その像は、頭 は純金(バビロン)、胸と両腕は銀(ペルシャ)、腹とももは青銅(マケドニア)、すね は鉄、足は一部が鉄(ローマ)…」 救い主メシアの誕生の舞台が整いました。創世記3章15節で約束されていた「女の子孫 」はサタンに阻まれ続けましたが、その通りになるのです。 「しかし時が満ちて、神はご自分の御子を、女から生まれた者、律法の下にある者とし て遣わされました。」(ガラテヤ4:4)

コラム13

旧約時代 ~王国の分裂、追放~ 神は「わたしは彼の王国の王座をとこしえまでも堅く立てる」(Ⅱサムエル7:13)とダビデ契約を結ばれたことで、ご自身の救いの計画の不動性を宣言されました。すなわち、以後、王をはじめ民が失敗しても契約は取り消されません。ダビデの子孫は絶えることがないので、必ず救い主(女の子孫)が誕生することになるのです。 とは言っても今後の展開を見ていくと、とてもそうは思えません。ダビデから引き継いだソロモン王は、最初こそ自分の祝福よりも、国のために神の知恵を求めました。その豊かな知恵をもって国を治めていましたが、与えられた神の知恵さえ高ぶる要素となってしまいました。彼は力の繁栄を誇り(Ⅰ列王10:26)、無秩序の異性関係に陥り(Ⅰ列王11:1-3)、それに伴い様々な偶像が入り込み、まことの神礼拝の他に、妻たちがもたらした偶像神も礼拝するようになりました。 ソロモンの死後、国は分裂しました。これは国へのさばきです。しかし神は契約を破棄したのではありません。その証拠に、神は分裂した北と南の王国に次々と預言者を送るのです。預言者は民を神に立ち返らせるために、神から預かったことばを民に教える人です。その甲斐なく、民は益々悪くなっていきます。 神は激しく怒り、彼らに与えた地から民を追放します。まず神は北王国をアッシリア帝国に引き渡します(アッシリア捕囚 Ⅱ列王記17:5,6)。それから100年余経過してから南王国もバビロンに引き渡します(バビロン捕囚 Ⅱ歴代誌36:5,6)。契約は破棄されていないとしても、最悪の状況です。神のご計画はほとんど進んでいないとさえ思えるのです。  民が約束の地に入る前、神がイスラエルの民をお選びになった理由をこう仰せられました。「…主があなたがたを愛されたから、またあなたがたの父祖たちに誓った誓いを守られたから…」(申命記7:8)だから神は彼らを選び、エジプトから贖い出されたのです。神がご自身の計画を進められるのは、私たちへの愛と、ご自分が結ばれた契約を果たすためです。その神があえて愛する民を他国へ引き渡されるのはお考えがあるからです。それは容赦ないさばきとして、また頑なな民の心を矯正する手段としてです。神の愛から動かれていることは間違いありません。