コラム10
旧約時代 ~士師の時代~
イスラエルのリーダーであるヨシュアが死ぬと、民はルールのない混迷の時代に突入します。士師記の最後のことばにこうあります。「そのころ、イスラエルには王がなく、それぞれが自分の目に良いと見えることを行っていた。」(21:25)本来、王であられる神に従わず、与えられた律法にも従わず、めいめいが人間的な判断で正しいと思うことを行っていました。ヨシュアのことを知らない世代になってから、イスラエルに偶像礼拝が加速しました(2:10-13)。偶像礼拝と連動しているのが、異教の民との結婚です。民は「カナン人、ヒッタイト人、アモリ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人のただ中に住み、彼らの娘を自分たちの妻とし、また自分たちの娘を彼らの息子に与えて、彼らの神々に仕えた」(3:5,6)
この光景を見てサタンは微笑んでいます。神の計画である「女の子孫(救い主)」を阻止できるからです。
そこで神は「さばきつかさ」(2:16)「救助者」(3:9)と呼ばれる人たちを立てられます。イスラエルを圧迫から救い、神の安息を回復するために特別に立てられた人たちです。彼らは外敵からの攻撃のときには戦いの統率者として先頭に立ち、平和な時には部族間のもめごとを調停する裁判官的な働きをしました。そういう人たちのことを「士師」と言います(治める者、裁き人という意味)。
士師は何人も立てられました。
①「背信」彼らが問題を解決して平和が訪れると民はすぐに堕落します。
②「さばき」すると神は民をさばき敵の手に渡されます。
③「悔い改め」苦しみの中で民は悔い改めます。
④「救い」すると神は士師を遣わし問題を解決します。
問題が解決すると平和が訪れ、再び堕落…これらを繰り返します。ですから士師が何人も立てられたのです。今の私たちも彼らと同じではないでしょうか。人は実に弱いのです。
士師の時代は非常に不安定でした。サタンに息の根を止められてもおかしくない状況であったにもかかわらず、神は彼らを保護しました。この時代が終わると、イスラエルは王制時代に入ります。
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